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『ハゲタカ』 - 日本を傍観するな!

映画版「ハゲタカ」はテレビ版から4年後という設定。腐ったままの日本に鷲津が帰ってきた。サブプライム問題以後の世界を舞台に、リアリティをもって交わされる買収劇が見もの。

こういう監修が付いてるので、実際の手法等に現実味があるのだと思う。実際にリーマンショックは誰かに演出されたものだったりして、なんて訝しがってしまう。

全6回からなるTV版では、主要登場人物の人間ドラマが幾重にも折り重なることで物語としての凄味が出ていたが、映画版はやはり2時間半という枠組みを活かしたエンターテインメントとして作られている。TV版を通らずにこの映画だけを観ても楽しめる作りにはなっていて、「後ほどTV版も観てね」的に観客の興味を誘導しているのかなと。

経済関係にほぼ興味ゼロの妻にTV版を観せたところ、ドラマ自体にハマって映画も見に行こうという事になった。何にせよ今まで関心がなかったことに関心が出てくるのはいいことだ。そういう意味でも意義ある作品だと思う。

『ハゲタカ』は経済・金融っていう目に見えにくいモノに興味を持たせ「傍観するな!」と訴えかける。まだまだ続きがあっても面白い。それはこれからの世界経済の成り行き次第か。