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教員免許が更新制になっていた

「教員免許は持っているけど教師はやっていない」という人は意外に多いのではないのかと思います。そんな人でも履歴書には資格の一つとして教員免許は書きたいもの。でもこれからはちょっと注意が必要なようです。

寝耳に水な教員免許更新制度

今日たまたま教員をしている友人と会話をする機会があって聞いたところによると「教員免許を更新する必要があって、8月は講習を受講しなければ行けないので大変だよ」とのこと。「え?!免許状の更新が必要になったの?」と聞き返すと「ちょうど自分たちの年代が更新時期に当たるらしく「オマエも更新しないといけないんじゃないの?」と言われてかなり焦った。頭から教員免許状は終身有効だという認識だったのだが、無知は罪だね・・・だいぶ古くから更新・研修の議論は交わされていて、所謂「問題教師」が騒がれたのがトリガーになり、阿部政権時代に更新制度が教育職員免許法に盛り込まれ、今年2009年から実施されているらしい。
wikipedia:教員免許更新制

免許状は現職教員のみに返納義務がある
有効期間の無い免許状(以下、旧免許状)を有する現職教員は、修了確認期限までに更新講習修了確認を受けなかった場合には失効し免許返納義務があるのに対し、現職教員を除く旧免許状保有者(いわゆるペーパーティーテャー)は修了確認期限期限を過ぎても返納義務がない。なお、現職教員が持つ有効期限のある免許状は失効しても返納義務はない(期限を超えた時点で効力が無くなっているため)。

都道府県の資料も調べてはみたけど、どうやら講習を受講しないと免許状が失効(返却義務が発生)するのは現在教職についている人に限られるようだ。教職についていないペーパーティーチャーであるところの民間人(いい響きw)は失効はしないが、教職に付く際に受講が必要になるとのこと。友人も民間人のことまでは詳しく知らなかったらしい。講習には時間(30時間程度)もお金(自己負担3万円程度)も必要なので、正直「どうしようか。失効してしまうなら受けないわけには行かないし」と思っていたので安心した反面、そういう体験もしてみたかったという変な期待もありで複雑な心境。

改正?改悪?

しかしこの制度、問題だらけのようだ。制度施行後に取得した免許は「新免許状」となり10年という明確な有効期間がつく。逆に施行以前に取得された免許は「旧免許状」と呼ばれ継続して有効期間が存在しない。先に上げたように教職についていない限り受講の必要はないのだが、旧免許状が失効しないのに対して新免許状は期間後は失効してしまう。新免許状の場合教職以外の民間人が免許状を維持していくには、10年ごとに講習を受講する必要があることになる。民間人やってれば分ると思うけど、10年とか忘れるし、受講のための時間を確保するのは難しい。つまりは圧倒的に新免許状保有者に不利な内容で「使わないなら、免許取り消し」ということだ。その他にもいろいろと厳しい内容になっており、スローガンとして掲げた再チャレンジとはほど遠い内容になっている模様。
政治って無責任だなと思った。旗を振った人間は一線を退き、残された制度だけが亡霊のように蠢いている。これ改悪なんじゃないのかと思わざるを得ないね。教員の質を上げる方法なら免許状を新旧にわけて有効期間つけるより、失効とは無関係なOJTや講習への参加*1で教師自体を評価する制度にすればいいのに。それだって自主性があり意識の高い教師は残っていき、淘汰されるべきモノと区別されるんじゃないのかな。

結局どうしたらいいのか

「教員免許は持っているけど教師はやっていない」という人はどうしたらいいのかをまとめてみた。

  • 2009年以前に教員免許を取得したが、教職についていない場合は、特に気にする必要はない。
  • 履歴書に書く場合は以前同様に記載可能だが、但し書きとして「講習の受講が必要」と明記する。
  • 教職につこうとする場合は採用試験後に、講習の受講が必要になる。

風当たりの強い職業のひとつである教員だけどれど、この不況風吹く世の中で潰しがきくイメージが外から見ればあるのも事実。簡単に失効されたらたまりませんよね。
政治家は日和見商売とはよく言ったもので、選挙民としてはこれからは監視の目を持って政治に向き合う必要があると実感しました。

*1:もちろん教師が恐ろしく忙しいのは実習体験や友人の話を聞いて知っているつもり。